群馬の畳職人ブログ
【桐生市 施工事例】数十年来の習慣を変えた「紺無地」の挑戦。家族を想う藁床と最高級畳ひのさらさ、二部屋目の納品。
「まるで別のお部屋になったみたい!」――数十年来の慣れ親しんだ風景が、最高級の香りと鮮やかな紺色の縁(へり)で劇的に生まれ変わった瞬間、お客様の瞳がパッと輝きました。
群馬県桐生市で、10年後、20年後の「頼んで良かった」をカタチにする佐藤畳工業です。現在進めております、桐生市菱町のリピーター様宅での合計20畳プロジェクト。先日の一部屋目(6畳)の納品に続き、本日二部屋目(6畳間)の表替え工事が、一切の妥協なく美しく完了いたしました。実は今回の施工には、お客様のこれまでの人生における「初めての大きな決断」が込められています。
■ 数十年来の習慣を変えた、一歩。
お客様が生まれ育ったご実家の頃から、今のお住まいに至るまで、和室の縁(へり)はずっと落ち着いた「茶無地」を選ぶのが数十年来の習慣だったそうです。しかし今回、最高級畳表「ひのさらさ」への表替えを機に、初めて「綿ポリNo.8(紺無地)」を選ばれました。
以前のブログでご紹介した通り、お客様には「将来、また裏返しができる楽しみを残したい」という素敵な計画があります。その未来への第一歩として、今回は装いも新たに「紺色」への挑戦となりました。深い紺色が、熊本の名匠・松田州平氏が手掛ける「ひのさらさ」の青々とした艶をより一層際立たせ、凛とした新しい空気がお部屋に流れました。
仕上がったお部屋をご覧になったお客様は、パッと明るい表情でこう仰いました。「紺色にすると、お部屋がグッと引き締見えるわね!」とお喜びいただけました。同じ「ひのさらさ」の畳表であっても、合わせる縁の色や柄によって和室の表情は無限に変わります。数十年来の慣れ親しんだお部屋が、パッと新築のように若返る瞬間は、職人にとっても本当に嬉しい瞬間です。
■ 帰省するご家族を想う「本藁床(ほんわらどこ)」を守り抜く
このお部屋の土台(畳床)には、数年前に当店で新畳として納めさせていただいた希少な「本藁床」が使われています。「たまに帰省する息子さん一家やお孫さんが、ここに布団を敷いてゆっくり休めるように……」というお客様の優しさが詰まった、最高の寝心地を約束する土台です。本藁床ならではの絶妙なクッション性と調湿性能は、現代の建材畳には真似できない大きな魅力があります。
この大切な藁床を長く安心してお使いいただくため、佐藤畳工業では「当店が納めた藁床」に限り、畳替え(表替え)のたびに防虫紙を無料で新品へと交換しております。敷き詰めてしまえばお客様の目には見えない部分ですが、新しい防虫紙に入れ替えることで、藁床の健康状態を維持し、次回のメンテナンスまでしっかりと守り抜きます。
■ 技能グランプリの技「頭板(かしらいた)」の締め直し
さらに今回は、新畳の製作時に施した職人技、「頭板(かしらいた)」の締め直し補修も手間を惜しまず丁寧に行いました。これは全国技能グランプリの厳しい課題にもなる非常に高度な仕立てであり、畳の角(カド)を強固に保ち、何十年経っても美しい直線を維持するための佐藤畳工業こだわりの手仕事です。
一度きっちりとした強固な土台を作り、こうして表替えのたびに適切な手入れと職人の技を重ねていく。これこそが、桐生市やみどり市のお客様に選ばれ続ける「一生モノ」の美しい畳を育てる唯一の秘訣です。本物のい草と伝統の技が合わさることで、和室はただの部屋から、心が安らぐ特別な空間へと生まれ変わります。
■ 信頼が紡ぐ、20畳の物語。いよいよ明日は「三部屋目」へ
「佐藤さんに任せておけば安心だから」 その温かいお言葉を最大の励みに、一帖一帖に魂を込めて縫い進め、これで計20畳のうち12畳(二部屋)まで無事に漕ぎ着けました。
いよいよ明日は、この大規模プロジェクトの集大成となる、お住まいの中心の「三部屋目(8畳間)」への納品へと向かいます。お客様が仰ってくださった「将来の裏返しの楽しみ」のために、最後まで一針入魂で全力で進めてまいります。どうぞお楽しみに!
桐生市菱町・お客様の「畳愛」に技術で応えた20畳の物語







